水の飲み過ぎ?!

 患者さんに聞いてみると、テレビの影響か予想以上に多くの人が健康のために水を取り過ぎています。理屈では水をたくさん飲んで体内を洗い流せば循環がよくなる、ということですが、実際にはむくみなどの弊害も多くでています。皮膚からどんどん水分が蒸発する欧米などの乾燥した気候では、いつも水を飲んでいてもそう害は出ませんが、湿気が多い日本では皮膚から蒸発することは少なく、体内にむくみとしてこもってしまいます。

 目に見えるむくみは、起床時にまぶたや手指によく現れます。手がこわばるのでリウマチかと勘違いする人もいます。舌がむくんで牛の舌のように大きくなっている人もいます。こういう場合は口腔内もむくんでいるので食事中によく舌や口の中を噛んだりします。 体内の目に見えないむくみもあります。メニエ-ル病なども水の飲み過ぎと関係あるかもしれません。

  手のこわばりで治療にきた人で水を控えると治療もせずに治った人が数人います。手のこわばりだけでなく、めまいや体が重いとか冷え性なども水をひかえることによって改善します。特に女性は男性よりもむくみやすいようです。若い女性でも足がむくんで太くなっていて、内くるぶしがはっきりと出てなかったりする人が多いのは驚きます。

  鍼灸では膝の周りには曲泉・陰陵泉・陽陵泉、などと泉の字がつくツボがあります。泉のように水を出していまう意味合いもあるのでしょう。こういうツボを刺激するとむくんでいる足が細くなってきますので美容にもよさそうです。

  寝しなの一杯の水が脳梗塞を防ぐとか聞きますが、過ぎたるは及ばずがごとし、ということもあるので、水の飲み過ぎにご注意ください。