からだに手入れを!

 「ハリはくせになるからやったらあかんでえ」とよく大阪のおばさんがいいます。しかしながら私からいわせてもらうと、「ハリはくせにならんとあかん」ということです。というのは患者さんだけでなく、一般の人でも体が鈍感になっている人が非常に多いのです。体が鈍感だと手遅れになるまで気づかなかったりします。例えばブレ-キのベルトが切れかかっている車を、気づかず高速で飛ばしているようなものです。ご自分では健康だと思っていても突然死する人も多くいます。

 からだを鈍感にしないためには手入れが必要です。車でもいつも整備点検をきっちりとやっていれば異常があればすぐにわかりますし、部屋の掃除もいきとどいていれば汚れもすぐにわかります。からだの手入れとは、ご自分の悪いところや弱い部分を知り、それに気をつけて大事に使うことです。ハリやお灸などをして手入れをするのもよろしいです。そうしているとちょっとした異常や痛みもすぐにわかり早めに治すことができます。いつもいい状態にしておくことは大切です。

 痛みというのは嫌なものですが、これはからだに起こる危険を知らせる安全装置のようなものです。痛みを我慢しているとそのうちにわからなくなり、安全装置がない状態となるので大変です。年配の方でさわってみるとひどく凝っているのに、肩こりを感じないという人もいます。安全装置がはずれていて恐いですね。