治療は継続が必要

 漢方外来を始めてから15年にもなります。いろいろなご相談を受けていますが、不妊症の方も何人かいたのでいままでの経過を調べてみました。41名の方が受診して11名の方からご出産との連絡を頂きました。11名以外にも調子が良くなり漢方薬を止めた方もいますので、連絡こそないものの、ご出産なさっている方も何名かはいらっしゃると思います。追跡調査が必要ですね。

 さて41名受診中、8名の方が1回か2回の受診で服薬を止めています。それまでにいろいろな医療機関をまわってから最後に漢方外来に来た人がほとんどですから、たった一ヶ月ほど漢方薬を飲んだだけでは妊娠することは難しいです。ご出産なさった方、で早い人が3ヶ月、遅い人は2年近くかかりました。漢方薬での不妊治療で有名な東京のT医師は、患者さんに「まず3年続けましょう」と最初に言います。妊娠した患者さんが二千人以上もいるT先生の経験からの言葉でしょう。

 不妊症に限らず、他の病気でも薬を続けることが大切です。漢方の治療は全体治療ですので、主訴とは別のところが先に良くなるかもしれませんが、それもまた楽しみかと思います。